出来事

追悼

あなたには、
自分が生きている意味が見出せなかったかも知れない。
生きてる事を、死ぬほど悩みつづけていたのですね。
でも、あなたが生きているだけで、
支えられていた人たちもいます。

それが、あなたの生きる唯一の意義であって、
今は、それだけしか無いとしても、
あなたの笑顔に支えられて生きて来た人が
やがて、あなたを支えてくれる人になります。

その日を待たずに、自分の力に気が付かないまま。
ひとりで、静かに自から白い棺桶の中に入り、
何を思い、内をわずらい、眠りについたのか、
何も語らず、全てを隠したまま
みんなの希望を奪い去った。

あなたの笑顔に支えられて来た人たちは、
記憶の中でしか、あなたの笑顔に会えない日々が始まり
やがて、その記憶も薄れて消えていく。

失った命を犠牲にして、踏みとどまった命が生き始める。
あなたには、言葉をかける時も無く、
涙を出す感傷に浸る事も出来ずに、
ただ、出来事が作り話であってくれるように
祈り、
ただ祈り、
考える力も無くした後は、
祈る想いを言葉に出来ず、疲れ果て、
知らぬ間に眠りについても、
私は次の日には目が覚めて
涙を流す事ができる。

でも、
あなたは、もう目を開ける事はない。
すべてを忘れて、安らかに眠って下さい。
川田亜子さんへ・・・。

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この地に

知り合いのペンションで。
マスターが言葉を選びながら私に伝えてくれた。

昔の友は既にこの世にいなかった。
若い命のあっけなさを、改めて感じていた。

マスターは、亡き友の彼女からの電話で初めてそれを知った。
恋人を亡くした、見知らぬ彼女の切なさが、私の心に伝わってくる。

運命に流され、時間に流され、街に流され、
私がたどり着いたのは、亡くなった友の、生まれ故郷。

私の生まれた街から、遥か500km離れたこの地に、
流されてきたのは、運命のいたずら。
それとも、亡き友の呼び声に引き寄せられて、
流れ着いてしまったのかもしれない。

この地では、
中学時代の同級生の生まれ変わりの人にも出会った。
それを知らせたくて、呼んでくれたのかも知れない。

でも、その同級生はとても苦しんで生きていた。
それを、私に見せるために私を呼んだというのなら、もはや友とは呼びたくない。

わたしは、その人の苦しみを少しでも和らげてあげたかったから、
正直に全てを伝えてしまった。
そんな事をするべきではなかったが、もう手遅れだった。

何とかしてやりたいと思えば思うほど、その人は遠ざかって行ってしまった。
言葉をかけることは出来ないほど遠くへ。

もう友と遇う事は無い、そして、

生まれ変わった同級生とも遇う事は出来なくなってしまった。

わたしの心の中には何も知らず、何も出来なかった自分に、ただ涙するだけだから、
少しでも長くこの地に残る事を望んでいた。

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