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この地に

知り合いのペンションで。
マスターが言葉を選びながら私に伝えてくれた。

昔の友は既にこの世にいなかった。
若い命のあっけなさを、改めて感じていた。

マスターは、亡き友の彼女からの電話で初めてそれを知った。
恋人を亡くした、見知らぬ彼女の切なさが、私の心に伝わってくる。

運命に流され、時間に流され、街に流され、
私がたどり着いたのは、亡くなった友の、生まれ故郷。

私の生まれた街から、遥か500km離れたこの地に、
流されてきたのは、運命のいたずら。
それとも、亡き友の呼び声に引き寄せられて、
流れ着いてしまったのかもしれない。

この地では、
中学時代の同級生の生まれ変わりの人にも出会った。
それを知らせたくて、呼んでくれたのかも知れない。

でも、その同級生はとても苦しんで生きていた。
それを、私に見せるために私を呼んだというのなら、もはや友とは呼びたくない。

わたしは、その人の苦しみを少しでも和らげてあげたかったから、
正直に全てを伝えてしまった。
そんな事をするべきではなかったが、もう手遅れだった。

何とかしてやりたいと思えば思うほど、その人は遠ざかって行ってしまった。
言葉をかけることは出来ないほど遠くへ。

もう友と遇う事は無い、そして、

生まれ変わった同級生とも遇う事は出来なくなってしまった。

わたしの心の中には何も知らず、何も出来なかった自分に、ただ涙するだけだから、
少しでも長くこの地に残る事を望んでいた。

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コメント

※これはポエムではありませんね
でも、どこかにこの事を書き残しておきたかったので、あえてポリシーを曲げて、ここへ書き込みました。さすがに、このような事を詩にする力は私にはありませんでした。

投稿: 銀河 | 2006年12月11日 (月) 午前 01時14分

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